簿記のお話ー3(商品売買について)

※サイト内の例題等で出てくる店名・企業名他はすべて架空のものです。

商品売買

前回の復習(現金や預金の仕訳)

過去回の学習で「現金」や「○○預金」は(入る・入金)(出る・出金)の2つだけ!

仕訳だと(入金)(預入れ)

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 現金 や
○○預 金
   ¥〇〇            

(出金)(引き出し)※「小切手の振り出し」も

日付  借方科目    金  額   貸方科目    金  額 
              現金や
○○預金
※当座預金
   ¥〇〇

では、モノ についてはどうでしょう?

実は、モノも単純です「買う(仕入)」か「売る(売上)」かの2択です。

※学習を進めると他にも内容を学習しますが、今はまだ「買う」か「売る」かで学習を進めましょう。

そしてモノは、大きく2つに分類されます。

  自社で通常取り扱っている
   販売用のもの
  自社で販売ではなく、使っているもの
  八百屋さん:ダイコンや野菜
  魚屋さん :鮮魚等
  車屋さん :新車・中古車
  家具屋さん:机や陳列棚
  :ダイコンや野菜
  :鮮魚等
  :新車・中古車(車両運搬具)
  :机や陳列棚 (備品)
     「商品」となる    「商品」ではなく
  それぞれのモノによって勘定科目が付けられる
 ( )内

つまり、八百屋さんが店で売るために、ダイコンや白菜を買えば「商品の購入」=(仕入)となり、それらを売れば「商品の販売」=(売上)となるが、配達用のトラックを買った場合は(仕入)ではなく(車両運搬具)の購入となる。

または、車屋さんが店で売るために、中古車を買えば「商品の購入」=(仕入)となり、それらを売れば「商品の販売」=(売上)となる。しかし、販売目的ではなく自社で使うための購入なら(仕入)ではなく(車両運搬具)の購入となる。

つまり「買う」→商品なら(仕入)それ以外ならば、それらを表す勘定科目

   「売る」→商品なら(売上)それ以外ならば、それらを表す勘定科目

となります。

商品売買を仕訳で表すと。これ大事!

仕訳だと(仕入)

日付  借方科目   金  額   貸方科目    金  額  
   仕入   ¥〇〇            

(売上)

日付  借方科目   金  額   貸方科目   金  額  
               売上   ¥〇〇

と仕訳します、考え方を変えてみると、このようにも考えることができます。

(仕入)=モノを買う=(現金)を払う・・・・↓(現金)を払う「結果」。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 こっちが開きます    現金    ¥***

    ↓ 空いた方に「原因」となる(仕入)が入ります。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
    仕入   ¥***   現金    ¥***

では、(売上)=モノを売る=(現金)をもらう

↓(現金)をもらう「結果」。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
    現金    ¥***こっちが開きます 

    「原因」となる↓(売上)が入ります。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
    現金    ¥***   売上    ¥***

商品売買の例題①

以下の取引を仕訳してください。※前回に引き続き「使うかもしれない」勘定も出ています。

つまり 「仕訳に必要なもの、不要なものの両方」が混ざっています。

得意先へ商品¥836,000を販売し、代金は、全額現金にて受け取った。

使用する「かもしれない」勘定科目:(現金)(仕入)(売上)(当座預金)

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ①    

例題②

仕入先よりA商品¥451,000仕入れ、代金は、現金にて支払った。

使用する「かもしれない」勘定科目:(現金)(仕入)(売上)(当座預金)

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ②    

例題③

B商品¥83,000を販売し、代金のうち¥70,000は得意先振出の小切手で受けとり、残額は現金にて受取った。

使用する「かもしれない」勘定科目:(現金)(仕入)(売上)(当座預金)

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ③    

例題①~③の答え

商品売買の例題①

以下の取引を仕訳してください。※前回に引き続き「使うかもしれない」勘定も出ています。

つまり 「仕訳に必要なもの、不要なものの両方」が混ざっています。

得意先へ商品¥836,000を販売し、代金は、全額現金にて受け取った。

使用する「かもしれない」勘定科目:(現金)(仕入)(売上)(当座預金)

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ①現金   836,000売上   836,000
※商品を売ったので (売上)が貸方→ へ来ます。

例題②

仕入先よりA商品¥451,000仕入れ、代金は、現金にて支払った。

使用する「かもしれない」勘定科目:(現金)(仕入)(売上)(当座預金)

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ②仕入   451,000現金   451,000
※商品を仕入れたので  ←借方へ(仕入)が来ます。

例題③

B商品¥83,000を販売し、代金のうち¥70,000は得意先振出の小切手で受けとり、残額は現金にて受取った。

使用する「かもしれない」勘定科目:(現金)(仕入)(売上)(当座預金)

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ③現金   83,000売上   83,000
※①と同様で商品を売ったので (売上)が貸方→ へ来ます。

※得意先振出の小切手=「現金」とします。

※得意先振出の小切手も現金も仕訳では「現金」となるのでまとめて記入しましょう。
        ↓の仕訳では、借方の(現金)が分けられているのでNG

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ③現金
現金
   70,000
13,000
売上   83,000
※ ←借方 が(現金)・(現金)とダブっています。これは検定ではNG判定されます。

現金を用いない商品売買(普通はこっち)

第2回(預金)と同様に、取引をいつも現金で行うことは、あまり現実的ではありません。

特に商取引においては、(後でお金を払う)(後からお金をもらう)といった取引が多いようです。
商品売買ではこのことを(掛け取り引き)と言います。

組み合わせは簡単です。

仕入に対して、後払い買掛金(かいかけきん)
売上に対して、後から回収売掛金(うりかけきん)
この「掛け取引」の場合でも。
   売った時は     ○○ / 売上  
  仕入れた時は     仕入 / ○○ で、(売上)(仕入)の向きは同じですよ。

となります。

仕訳で表すと。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 仕入   ¥***買掛金   ¥***
    ←(仕入)のままで/ 今まで(現金)だったものが(買掛金)に代わるだけです
日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 売掛金   ¥***売上   ¥***
    今まで(現金)だったものが(売掛金)に代わり / こっちはそのまま(売上)です

となります。

重要! なんでもかんでも(後から払う)=「買掛金」ではありません

例1:八百屋さんが商品の大根¥1,000を買って代金は月末払いとした。

例2:八百屋さんが配達用のトラック¥500,000を買って代金は月末払いとした。

どちらも後払いですが

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
例1仕入   1,000買掛金   1,000
くどいですが (仕入)の後払い「掛け」は(買掛金)です。
日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
例2車両運搬具   500,000未払金   500,000
八百屋さんにとっては「車両」は「商品」ではないので(仕入)とはできません、だから(買掛金)にもできません

となります。「買掛金」と「未払金」で分けられています。

つまり(商品の購入)=「仕入」に対しては「買掛金」を用い

(商品以外の購入)=仕入ではない ので 「買掛金」は使えず、(未払金)とします。
※(未払金)「みばらいきん」

同様に(商品の販売)=「売上」に対しては「売掛金」を用いますが

(商品以外の販売)=売上ではないので 「売掛金」は使いません。

  商品売買    商品以外  
仕入「購入」の後払い仕入:買掛金〇〇:未払金
売上「売却」の後で回収売掛金:売上未収金:○○
または
未収入金:○○
※ ○○には、その時の取引に応じた勘定科目が用いられます。
  (未収金)「みしゅうきん」は、全経簿記検定・(未収入金)「みしゅうにゅうきん」は、日商簿記検定で指示された勘定科目です。検定の際は指示された勘定科目を使わないとNG判定されます。

※以降の例題から勘定科目は語群から選びましょう。

(使うもの使わないもの混ざっています)

例題④

商品¥35,000を仕入れ、代金は翌月に支払うこととした。

語群

仕入売上買掛金現金当座預金普通預金売掛金
日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ④    

例題⑤

商品¥120,000を売上げ、代金は翌月に受け取ることとした。

語群

仕入売上買掛金普通預金当座預金現金売掛金
日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ⑤    

ちょっとむつかしくなります

例題⑥

商品¥135,000を仕入れ、代金のうち¥100,000は、小切手を振り出して支払い、残額は掛けとした。

語群

仕入売上買掛金売掛金
現金当座預金普通預金 
日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ⑥    

例題⑦

商品¥300,000を売上げ、代金のうち¥120,000を得意先振出の小切手で受け取り、残額は掛けとした。

語群

仕入売上買掛金売掛金
現金当座預金普通預金 
日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ⑦    

例題④~⑦答え

例題④

商品¥35,000を仕入れ、代金は翌月に支払うこととした。

語群

仕入売上買掛金売掛金
現金当座預金普通預金 
日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ④仕入   35,000※買掛金   35,000

※翌月だろうが来年だろうが今払っていなければ、後払いですので(仕入)の相手は(買掛金)です。

例題⑤

商品¥120,000を売上げ、代金は翌月に受取ることとした。

語群

仕入売上買掛金売掛金
現金当座預金普通預金 
日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ⑤※売掛金   120,000売上   120,000

※④と同様、今ではなく後からなので(売掛金)となります。

ちょっとむつかしくなります

もう一度問題から表示しますね。例題⑥

商品¥135,000を仕入れ、代金のうち¥100,000は、小切手を振り出して支払い、残額は掛けとした。

語群

仕入売上買掛金売掛金
現金当座預金普通預金 
日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ⑥    

例題⑦

商品¥300,000を売上げ、代金のうち¥120,000を得意先振出の小切手で受け取り、残額は掛けとした。

語群

仕入売上買掛金売掛金
現金当座預金普通預金 
日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ⑦    

⑥答え

商品¥135,000を仕入れ、代金のうち¥100,000は、小切手を振り出して支払い、残額は掛けとした。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ⑥仕入   135,000※当座預金
買掛金
100,000
35,000

考え方「小切手振出」は(当座預金)を 貸方→ に記入でしたね。

¥135,000のうち¥100,000を払ったので、残りの¥35,000を掛(買掛金)とします。

⑦答え

商品¥300,000を売上げ、代金のうち¥120,000を得意先振出の小切手で受け取り、残額は掛けとした。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ⑦※現金
売掛金
   120,000
180,000
売上300,000

考え方 「得意先振出の小切手」は(現金)扱いでしたね。

¥300,000のうち¥120,000を(現金)でもらったので残りの

\30万-¥12万=¥180,000を後でもらうので=(売掛金)とします。

いつまでも掛け(後で)とはいきません!

ところで例題④「掛け仕入の場合」

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ④仕入   35,000買掛金   35,000

と仕訳しましたが、(買掛金)はいつか支払う必要があります。

その後の取引:④の掛代金を小切手を振り出して支払った。

※掛けを小切手で払いました。と言っています。仕訳はこうなります。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 買掛金   35,000当座預金   35,000

(買掛金)が④では 貸方→ だったのが 反対側の ←借方 へ来ました。

現金の「入金は←・出金は→」のように 同じ勘定科目は、借方・貸方を逆に書くと

取り消し の意味を持ちます。

つまり「掛けを払った」ので(買掛金)を取り消す必要がありますので

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 買掛金
※買掛の取り消しを表す
   35,000当座預金
※小切手振出
   35,000

という仕訳になります。

同様に⑤「掛売り」

日付  借方科目    金  額   貸方科目    金  額  
 ⑤売掛金   120,000売上   120,000

(売掛金)は「後で払ってね」という意味ですので、そろそろお支払いいただきましょう。

⑤の掛代金を全額現金にて受け取った。

※回収できたのでこのように仕訳をします。

日付  借方科目    金  額   貸方科目    金  額  
 現金   120,000売掛金   120,000

※(買掛金)の時と同様に(売掛金)の位置が ←・→ 逆になっていますね。

ではこの時はどうなるでしょう?

例題⑥

商品¥135,000を仕入れ、代金のうち¥100,000は、小切手を振り出して支払い、残額は掛けとした。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ⑥仕入   135,000当座預金
買掛金
100,000
35,000

後日、上記の買掛金¥35,000を現金にて支払った。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
     

例題⑦

商品¥300,000を売上げ、代金のうち¥120,000を得意先振出の小切手で受け取り、残額は掛けとした。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ⑦現金
売掛金
   120,000
180,000
売上300,000

後日、上記の売掛金全額が、普通預金へ振り込まれた。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
     

答えと考え方

例題⑥

商品¥135,000を仕入れ、代金のうち¥100,000は、小切手を振り出して支払い、残額は掛けとした。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ⑥仕入   135,000当座預金
買掛金
100,000
35,000

後日、上記の買掛金¥35,000を現金にて支払った。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 買掛金   35,000現金   35,000

※(仕入)は、もう終わっています、今回は「買掛の支払い」なので

(買掛金)(現金)の¥35,000のみの取引となります。
よくある間違いはこれ↓

後日、上記の買掛金¥35,000を現金にて支払った。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 間違い仕入   35,000現金   35,000
※(買掛金)の取り消しを行わず間違えて(仕入)としています。これでは追加で(仕入)を行ったことになってしまいます。

例題⑦

商品¥300,000を売上げ、代金のうち¥120,000を得意先振出の小切手で受け取り、残額は掛けとした。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 ⑦現金
売掛金
120,000
180,000
売上300,000

後日、上記の売掛金全額が、普通預金へ振り込まれた。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
 普通預金   180,000売掛金   180,000

前の「買掛の支払い」に対して今度は、(売掛金)の仕訳です。「うりあげ」は関係ありませんので注意しましょう。

「普通預金へ振り込まれた。」ので第2回を思い出してください。

(普通預金)への入金・預入は ←借方 へ(普通預金)でしたね。

仕入・売上の返品について

返品とか考えると、なんか難しく感じるかもしれませんが、単純ですよ。

例えば¥100,000仕入れたけど、そのうち20,000分を返品したということは、

20,000分取り消すだけでいいのです。

例⑧ 仕入返品の例題「返品=仕入戻し・とも言われます」

2/20 商品¥150,000を仕入れ、代金は全額掛とした。

2/25 (2/20)に仕入れた商品のうち¥45,000分が不良品であったため返品し、
掛代金から差し引いた。

3/31 買掛金¥105,000を、小切手を振り出して支払った。

日付  借方科目   金  額   貸方科目   金  額 
 2/20    
 2/25    
 3/31    

答え

2/20 商品¥150,000を仕入れ、代金は全額掛とした。

2/25 (2/20)に仕入れた商品のうち¥45,000分が不良品であったため返品し、
掛代金から差し引いた。

3/31 買掛金¥105,000を、小切手を振り出して支払った。

日付  借方科目   金  額    貸方科目   金  額  
 2/20仕入   150,000買掛金   150,000
 ※2/25買掛金   45,000仕入   45,000
 3/31買掛金   105,000当座預金   105,000
※ 2/25の仕訳は ¥45,000の仕入返品を表します、つまり(仕入)を減らし、その分の(買掛金)も減らしているわけです。
  3/31ハ今までの学習通りで、(買掛金)を「小切手振出にて」支払った仕訳ですが、金額は2/20分の¥15万より2/25分の4.5万分を差し引いた残りの\10.5万の取引となります。

例⑨ 売上返品の例題「返品=売上戻り・とも言われます」

3/15   商品¥300,000を売上げ、代金は全額掛とした。

3/20 (3/15)に販売した商品のうち¥50,000分が品違いであった為返品され、
掛代金から差し引いた。

3/31 売掛金¥250,000が、普通預金口座へ振り込まれた。

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
3/15    
3/20    
3/31    

答え

3/15   商品¥300,000を売上げ、代金は全額掛とした。

3/20 (3/15)に販売した商品のうち¥50,000分が品違いであった為返品され、
掛代金から差し引いた。

3/31 売掛金¥250,000が、普通預金口座へ振り込まれた。

日付  借方科目   金  額   貸方科目   金  額 
3/15売掛金   300,000売上   300,000
※3/20売上   50,000売掛金   50,000
3/31普通預金   250,000売掛金   250,000
※ 先の例題と同様、3/20に\5万分(売上)を減らしその分の(売掛金)も減らしています。
※※ 両例題とも「返品があった」ことしか書かれていませんが、通常は返品=(仕入や売上)のマイナスと同時に(買掛金や売掛金)をマイナスする仕訳で対応します。

※ 仕入れ売り上げともに返品理由は関係なく、金額を記載します。

クレジット売掛金について

皆さんも「買い物をしたとき、クレジットカードで支払った」経験があるのではないでしょうか?

この場合、売ったお店は、代金をクレジットカード会社から受け取ります、そしてお客さんは、代金はカード会社へ支払います。
※カード以外もpaypayなども同様ですよ。

※もし、お客さんがカード会社へ支払わなくても、カード会社は、お店への支払いを行います。

お店としては とりっぱぐれ「専門用語で「貸倒れ」という」 が発生しません。その代わり、カード会社は手数料を差し引いてお店へ代金を支払います。

なので、例えば¥100,0000の売上があったとしても、お店には手数料を引かれた金額例えば

¥99,800「手数料¥200をひかれた額」の入金となります。

例⑩ クレジット売掛の例題

3/15   商品¥300,000を売上げ、代金はカード決済「クレジット決済」とした。なお、クレジット会社への手数料「売価の2%」は販売時に費用計上する。

    ↓※カードの手数料2%「¥30万×2%=¥6,000」

日付  借方科目    金  額    貸方科目    金  額  
3/15支払手数料
 クレジット売掛金
※6,000
294,000
売上  300,000
※ さっきまでは(売掛金)の金額=(売上)の金額でしたが、今回は(売上)の金額\30万-(支払手数料)0.6万=残りの¥29.4万が(クレジット売掛金)となります。
※※クレジット会社への手数料=(支払手数料)「しはらいてすうりょう」とします。

   

    仕訳での(支払手数料)(クレジット売掛金)の順は不問だが金額は正しく組み合わせること。

3/31 3/15販売分の代金が、普通預金口座へ振り込まれた。

日付  借方科目   金  額   貸方科目   金  額 
3/31普通預金  294,000クレジット売掛金  294,000
※3/15に仕訳で(クレジット売掛金)は手数料を引かれた¥29.4万なので、入金額も¥29.4万となる

※通常の(売掛金)とは区別して(クレジット売掛金)とすることが多い。「検定では指示に従う」

※手数料「今回は2%」については、出題に従えばよい。

※入金先「今回は(普通預金)」も出題に従えばよい。

仕入諸掛・売上諸掛

商品を仕入れる際、運賃やその他費用「運賃や保険など」が発生することがあります、これら「その他の費用」のことを「仕入諸掛・しいれしょがかり」と呼び、原則としてその金額も仕入に含めます
※「仕入諸掛・しいれしょがかり」という勘定科目はありませんのでご注意ください。

例⑪ 仕入諸掛

8/10 商品¥100,000を仕入れ、代金は全額掛とした。
なお、商品受け取り時に運賃¥3,000を現金にて支払った

日付  借方科目   金  額   貸方科目   金  額 
8/10仕入※ 103,000買掛金
※※現金
100,000
3,000
※※ただし、理由は何でも(現金)を払っているのでそれもちゃんと仕訳に記入

    ↑(仕入)が※¥103,000「運賃込み」になる。

↓これは間違い(発送費)としている

日付  借方科目   金  額   貸方科目   金  額 
8/10仕入
発送費
100,000
3,000
買掛金
※※現金
100,000
3,000
(仕入)(発送費)としているためNG

     ↑(発送費)など他の勘定にせず、原則として仕入に含めます

今度は、売った時「売上」時を考えてみましょう。仕入と同様に運賃などが発生することがあります。

この場合、その運賃などを自分か客のどちらが負担するかによって処理が異なります。

例⑫ 売上諸掛 「当店負担の場合」 

※出題は、ほとんどこのパターン

8/20 商品¥250,000を売上げ、代金は全額掛とした。

なお、当店負担の発送運賃¥3,000を現金にて支払った。

日付  借方科目   金  額   貸方科目   金  額 
8/20売掛金
 ※ 発送費
250,000
3,000
売上
※※ 現金
250,000
 3,000
※※ 理由は何でも(現金)は払っていますよ

※ (発送費)はっそうひ として別に計上する。
※ (発送費)(荷造運賃)など同様の同じ意味の科目があるので問題に従う

例⑬ 売上諸掛 「先方負担の場合」①

8/20 商品¥250,000を売上げ、代金は全額掛とした。
なお、得意先負担の発送運賃¥3,000を現金にて支払った。

日付  借方科目   金  額   貸方科目   金  額 
8/20売掛金 
※ 立替金
250,000 
3,000
売上 
現金
250,000 
3,000
※ さっきのように(発送費)とはせずに、「立替金・たてかえきん」として別に計上する。

9/30 8/20の売掛金と立替金を合わせて現金にて受け取った。

日付  借方科目   金  額   貸方科目   金  額 
9/30※現金※ 253,000※※ 売掛金
※※立替金
250,000
3,000
※  入金額は売掛と立替分の合計額となります。
※※ (売掛金)(立替金)とも 貸方→ に記入=回収です。

例⑬ 売上諸掛 「先方負担の場合」②

8/20 商品¥250,000を売上げ、代金は全額掛とした。
なお、得意先負担の発送運賃¥3,000を現金にて支払い、掛代金に含めた

日付  借方科目   金  額   貸方科目   金  額 
8/20※ 売掛金253,000売上
現金
250,000
3,000
※  (売掛金)に¥3,000プラスして計上。 ただし(売上)ではない。{売上は25万のまま}

9/30 8/20の売掛金を現金にて受け取った。

日付  借方科目   金  額   貸方科目   金  額 
9/30現金253,000売掛金253,000
8/20の仕訳で(売掛金)\25.3万となっているので回収も\25.3万となる。

いかがでしたか?

今回はここまで、(仕入)(買掛金)(売上)(売掛金)と返品、諸掛り等についてご理解いただけたでしょか。

次回は、「買掛・売掛」以外の「後からおカネをやり取り」についてご紹介いたします。

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